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キンメリックスに思いを馳せて


ウィリアム・フェーブル シャブリ プルミエ・クリュ ヴァイヨン 2011

もともと海底にあったシャブリの土壌は石灰質と海の底に堆積した貝殻等の化石がミルフィーユ状に積み重なったキンメリジャン土壌から産まれるミネラル感のしっかりとしたワイン!

生牡蠣との相性は最高よっ!

なんて一般的には言われておりますが、あれっ!と思うことが多々あります。

実際のところ「シャブリ」の味わいは多種多様。

造り手によってはステンレスタンクのみで醸造されクリアーなイメージのものやしっかりと木樽を使いまろやかで乳酸をもろに感じるものなど。しかも、村名シャブリとプルミエクリュ、グランクリュと畑の個性も様々。キンメリジャンの影響はグランクリュの方がより強く受けている。

なんて考えてると…もう生牡蠣もシャブリもいらない(+o+)、とか言ってしまいそうになる。

確かにこのプルミエクリュ・ヴァイヨンを生牡蠣に合わせると微かだが生臭さが強調されるように感じる。

嫌な感覚ではないが一瞬違和感を覚えるのである。

DANAEのマダムの持論は「牡蠣は火を通して味わいを凝縮させるべき!」といつも言っている。

試してみよう、シンプルにバターでポワレし、そのままパクリ。

おーーーーなんと幸せな私の舌(笑)レモンをかけようか迷いましたが、いらない、シャブリの酸が十分に味わいを引き締めレモンの役割も果たしてくれてます。

んじゃグランクリュはどうなんだろうと思った時にウイリアム・フェーブル醸造責任者ディディエ・セギエ氏との会話を思い出す、「グランクリュはチーズに合わせたい、シャブリで表面を洗ったウォッシュやブルゴーニュ産の山羊のチーズなどがお勧め」とおしゃっていた。……あれ、牡蠣出てこないじゃん。

ふむふむ。

総合すると生牡蠣を食べるのにプルミエ、グランクリュシャブリは必要ないのでは。シャブリで合わせたければ村名でかつラ・ロッシュのようにステンレスタンクで醸造熟成を行いクリアーでミネラルと酸が豊富で少し青さを感じるもの(個人的にはミュスカデの方が手ごろで好きです)が望ましい。決して気張ることはないのだろう。あと温度帯は12℃ぐらい、キンキンに冷えてると何故か生臭い。

調理をした牡蠣(今回バターだが)ほどほどに木樽を用いたプルミエ・クリュや村名でまろやかなもの(ルイラトゥールやドルーアンなど)は丁度良いだろう。バターのやさしい香りに木樽由来の甘くスパイシーな香りが合いまり、火を通して凝縮されたうま味とミネラル、こうばしさが相乗する。幸せだろう。

となるとグランクリュに合わせるとなるとさらに味わいの格を上げた一皿が必要となる、牡蠣のスぺシャリテ!のような。チーズは非常に複雑な食べ物である、家畜の体内から採取され人間の手が加わりさらに長い時間をかけて熟成される。こんな複雑な食べ物(ウォッシュなら尚更)に合わせたいグランクリュ・シャブリを牡蠣をメインにした一皿に合わせるってすごく難しい一皿なんじゃないだろうか。

おーーー課題が見つかりました。三陸の牡蠣の本場、冬牡蠣に向けて牡蠣スぺシャリテ!を考えてみようと思います、、、、長々とお付き合いいただいてありがとうございました。 大典


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